大人の男に妄想

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   そして、結芽側の窓が開いて風が吹き込んでくる。 「潮風を、感じるのも悪くないだろ」 「そうですね。風が、気持ちいい」  でも、何でだろう。潮風ってより普通の風って感じで、まったく潮の香りがしないんだよね。  それに何となくだけど、オジサンの整髪料みたいな臭いもするような……      ・      ・      ・      ・      ・ ――ただいま――  あれっ、帰ってきちゃった。これから良いところだったのに……  整髪料で頭がベタベタになってる、座席に座ったオジサンが窓を少しだけ開けたみたい。それで、あんな臭いの風に感じたんだ。  あの後、あのまま車に乗ってたらどうなってたんだろう。二人で、砂浜に座って海を眺めてたのかな。 「それとも……」  考えてみたら、話しが上手く行きすぎてたし。騙される女の子って、あんな感じで簡単に騙されるんだろうなぁ。
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