大人の男に妄想

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   その時、ドアが閉まって電車が走り出し。小林さんの姿が、段々と遠くなっていく。  あれって、本当にブラだったのかな。結芽の見間違いじゃ無いのかな。    学校に向かうのは、誰もいなくって結芽だけだった。自転車パンクして、修理して遅れたんだから当たり前だけどね。 「あれ、ブラだったのかなぁ。そんな筈、絶対に無いよなぁ」  実は、見間違い……  実は、女装趣味……  実は女で、男装趣味……  最近話題のブラすると落ち着く男性とか。  色々、想像とか妄想とか頭の中で、グルグル渦巻いて訳分からなくなっちゃった。  小林さんが好きな気持ちなんて、そんな考えの中に埋もれちゃって。気が付いたら、どこかに消えちゃってた。  その程度の、軽い気持ちだったんだね。 「恋愛って何だろう……」  妄想の中で考えてた、部活に戻ろうかって気持ち。それが、本気になりそうな気がしてきた。
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