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小林さんの妄想から、何日かが過ぎちゃった。でも、ただ何も変わらず。何もしないで、その何日かを過ごしてた。
妄想もしない……
新しい恋愛もしない……
陸上部に戻る事もしない……
ただ、当たり前の毎日を当たり前に過ごしている。
「ボーッと過ごしたら、何も起こらずに平和な日常が平和に過ぎるんだねぇ」
「結芽、ずいぶんと腑抜けているね」
「べ~つにぃ。だって、平和だしねぇ」
友達の言う通り、腑抜けてるかもなぁ。だって、妄想もしてないから毎日に張り合いが無いもん。
大沢先輩の時……
斎藤くんの時……
小林さんの時……
どの時も、リアルな妄想で充実した感覚だった。そりゃ、どの時だって後味が最悪で『恋愛なんて』って思った。だけど、やっぱりあの感覚は忘れられない。
本当の恋愛に出会うまで、妄想は続けても良いかもなぁ。
「げっ、今日もやっぱりいるよ」
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