初恋男に妄想

6/28

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
   頭の中でだか、実際に言ったかワケわからないままホームに電車が入ってきた。  『トンチンカン』と一緒に、佐川も電車に乗り込んだ。  やっぱり、結芽の事は覚えてないよね。 「なぁ、佐川。あそこの彼女、めっちゃ良くねぇ?同年代なのに、色気があるっつう感じでさ」 「そうかな……」  トン吉のやつ、佐川まで低俗な話しに巻き込みやがって。でも佐川は、大人っぽい女の子は好みじゃないのかもしれない。もしかして、彼女とかいたりするのかな。  家に帰って、部屋でテレビを見てても佐川の事ばかり考えてた。  でも、変だよなぁ。中学を卒業して、まだ一年も経ってない。それなのに、結芽の事を忘れるなんてあり得ないよなぁ。 「そりゃ中学の時には、同じクラスでも話しなんて全然してなかったけど……」  バレンタインのチョコも、作ったけど渡せなかったし。 「それって、何でだったっけ……」
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加