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『只今、先行車両が津田沼駅にて発車が遅れており。しばらく、停車いたします。お急ぎのところ――』
そんな、車内アナウンスが流れた。
「秋吉、だいぶ揺れたけど大丈夫か」
「うん、佐川に寄っ掛かってるから平気だよ。てか、ゴメンね。重たいでしょ」
「大丈夫だよ、陸上で鍛えてるからな」
やっぱり、陸上を続けてたんだね。今の言葉のせいで、中学の頃より頼もしく感じちゃうよ。今の高校でも、モテるんだろうな。彼女だって、出来てるよね。
電車は動かないし、沈黙が辛くって思わず妄想の中の話題を持ち出した。
「佐川って、市鬼工高だったっけ」
「うん。工業高校だから、女子が極端に少なくってさ」
そっか、工業高校って女子が少ないんだ。だったら、彼女がいない可能性もあるよね。どうしよう、確かめたい……
「高校に行って、好きな女の子とか出来たりした?」
聞いちゃった……
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