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「俺は、いつも二つ隣の車輛に乗るけど。この車輛の方が、混み方は酷いな」
体の周りに、空間ができて見上げた佐川の顔は、少し汗ばんでいた。結芽の事を、支えててくれたから余計に体力を使ったんじゃないのかな。
そんな佐川に、中学の頃の気持ちが盛り上がってドキドキしてきた。
まだ、佐川の事が好きなんじゃないかな。てか、改めて好きになったのかも……
惚れ直すって、こういう事?
そして、また車内は満員状態になって。佐川の胸に、体を押し付けられた。
はあ、結芽のドキドキが佐川に伝わったりしてないかな。この状態だと、佐川の心臓の音が聞こえてきそうだな。
その時、腰の辺りに手の感触が……
「あの、佐川……」
「んっ、何だよ」
「ううん、何でもない。気にしないで」
佐川って、こんなに大胆だったんだ。さっきまでは肩を両手で押さえたり、今度は腰に手を回したりして。
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