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この後、どうなっちゃうんだろ。
でも、あんまりにも満員だから。これ以上は、何も出来ないよね。だって、二人ともまともに動けないもん。
『只今、停止信号で停車しております。しばらくお待ちください』
また、電車が止まったと思ったら、そんな車内アナウンスが流れた。
「また、止まるのかよ」
「そうだね、時間通りに駅まで着けるのかな。電車の遅れなら、遅刻しても怒られないけど」
「へぇ、秋吉って。遅刻とか、気にする方だったんだな」
顔が見えないけど、声から意外って思ってる感じはバッチリ伝わっていた。余計な、お世話だよ。
そして佐川の手は、更に大胆に腰の辺りを撫でるみたいに動き始めてた。何だか、ちょっとエロい気がする。
「佐川…… ちょっと」
「ちょっと、何だよ。何かあるなら、はっきり言えよ」
言えないよ。一歩間違ったら佐川が、痴漢と間違われるかもしれないし。
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