モラトリアム

5/11
前へ
/314ページ
次へ
 まるで、外国人が、日本文化に興味を持っているのが面白く感じるみたいな感覚だろうか。  デジタルな玩具に興味を示す、古のあやかしはギャップもあって好感を持った。なので、少しだけ雄弁にゲームの思い出を語ることになった。 「私のお父さんがゲーム好きでね。プレイしてるの、小さい頃から一緒によく見てたんだ。その時のはプレステ2だったかな。まだ3が出てない頃で、難しそうなRPGは苦手でね、アクション系が好きだったんだ」 「ふんふん、それで?」 「小学校の頃、それでものすごく好きになったゲームがあってねー、犬……狼だったっけ……? まぁ動物が主人公なの。それでいろんなところで困ってる人を助けて回るんだけど、ほんと世界観とかキャラクターに惚れこんじゃって、攻略本とか資料集とか買ってもらったなー」 「池袋の女の子は、そういう子、多そうだね。大好きなものに熱くなってるのを見ると、オレ、微笑ましいなと思うよ」 「ガチャガチャとか回したりして好きなキャラの小物集めたりとかしてる子、いるもんね。あー、思い出すと、またやりたくなったなぁあのゲーム。BGMとかすごく好きだったし。六年生になったくらいにプレステ3でリメイクされたのを自力でプレイした時は、最後感動で泣きまくってボス倒したな」     
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加