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やはり、動物を飼う以上、あまりペットを一人ぼっちにはしたくない。いくらこの部屋が加護で守られているとはいえ、孤独だけは消すことができない。孤独は誰かと共に過ごし、分かち合うことしかできないのだから。
この部屋には幸い貧乏神が付録についているので、月が大学で外に出ていても世話をしてくれるだろう。
改めて、今はサスケのためにも、家を空っぽにすることは控えようと思いなおした。
「乾太郎、私大学とかに行くし、家を空けることが多いから、せめてその間はサスケのこと、お願いしてもいい?」
「勿論。キララちゃんは、安心してキャンパスライフを楽しんでいいよ」
貧乏神の名に懸けて、と言わんばかりに乾太郎は頷いた。
金銭を吸い上げる以外は、全てを満たしてくれる貧乏神は、月の願いを聞き入れる。
自分で飼うことを決めたネコではあるので、その世話を乾太郎に押し付けなくてはならない状況が生まれてしまうのは、少しだけ申し訳なくも思った。
しかし、乾太郎がいたからこそ、サスケを引き取れるという気持ちの余裕が生まれている。月には、サスケをどうしても救いたいと思ってしまう強い意思があった。
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