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酒呑童子の依頼
「ううーん……意外と大学でお弁当食べてる人って居ないんだな……」
一人、キャンパスの中にあるイートインスペースで乾太郎の作ってくれたお弁当を食べながら呟いた月は、学食で食べる人が大半であることに驚いていた。
学食を一度覗いてみたが、リーズナブルでかなり美味しそうに見えた。噂では学生ではない人も、態々この大学の学食にやってきて食べているのだとか。かなり人気の学食は、いつも込み合っている。
リーズナブルとは言え、貧乏神に憑りつかれ、その日自販機でドリンクを買う事すら憚られる月にとって、昼食の出費はできないのだ。
なにより、月には乾太郎が作ってくれた弁当がある。これが、また、美味しい。学食を利用する理由なんて、月にはまったくないわけであるが……。
独りぼっちの昼食はどうにも物寂しい。
フリースペースの隅に、食事を摂ってもいいとされるその空間は、ほとんど人が居ない。
「……友達、作るにしても……人付き合いにはお金がいるし……。ああ、お金のことばっか考えちゃってる……、やだなあ」
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