奇妙な同居生活

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 立派なこの広い部屋が、少しだけハリボテみたいに思えた。  身の丈には合っていないマンション四階の一人暮らし。  広々とした室内は一人だと寂しいと思ったが、今は奇妙な同居人がいる。きっと二人で生活する分には丁度いい空間だろう。  色々と考えていると、お風呂からガチャリとドアが開く音がした。  乾太郎が上がったのだろう。 「上がったよ。次、どうぞ」  そう言って、頭をタオルで拭きながら現れた乾太郎の姿に、月はドキ、と心臓をひとつ跳ね上げた。  まだ湿った黒い髪は艶やかで、艶めかしい魅力を浮かび上がらせ、大きくはだけたラフなシャツから覗く両腕の逞しさが健康的な男性の筋肉を魅せている。パンツも膝丈までのもので、湯上りの火照った足がなんだか綺麗だった。 「どしたの?」 「あっ、うん、お風呂ね! 行ってきます!」  思わずジッと彼を見ていたのに気が付かれたと恥ずかしくなって、逃げるようにバスルームに飛び込んだ。  早くお風呂に入ってさっぱりしようと脱衣所で服を脱いで下着を洗濯機に放り込むと、お風呂場に飛び込んで、湯船に浸かった。 「やばい。おもったより、恥ずかしい……」     
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