酒呑童子の依頼

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 飛燕の言葉で、控えていた黒服の男が返事をして、月を促した。 「随分と金に困っているらしいから、依頼をしてやろうと思ったんだがなァ」 「お客様は神様でも鬼でもない。無礼な奴は、客にもならない」  去り際にきっぱりと言ってやった。金に困っていようが、こいつの依頼は受けるものかと決意した。  立ち上がり踵を返す月の背中に、飛燕はいい加減な口調で言った。 「もし、俺の絵巻物を見付けたら連絡しろよ。たっぷり報酬をくれてやるぜ。百鬼夜行絵巻だ、頼むぜインベスティゲーションさん」
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