心の余裕をくれるモノ

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「どうだ、抱きしめられているのもつらいだろ?」と言っているみたいだ。  カレーの香りが漂う部屋で、甘く抱き合った二人は、まだ暫くそのままでいた。  ぎゅるるん、と情けない腹の虫がその世界をぶち壊すまで、あと五秒――。  弾けたように笑う乾太郎と、照れ隠しで、乾太郎を引きはがす月がサスケの目に映るのは、すぐそこにあった。
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