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そこには車道が走っている。普段はあまり交通量も少なく、横断歩道もないその道路は、歩行者が横断することもよくある話だった――。
――そして、悲劇は起こる――。
「あぶないッ!」
背後から、眼鏡の男性の叫び声がした。
次いで耳をつんざく轟音と、迫ってくる車体。
ブレーキでアスファルトを焦がす匂い。
月は、とっさに、ソラナキを強く抱きしめた。
この子を助けたい――!!!!
鈍い激突音。
身体がバラバラになってしまうような衝撃。
跳ね飛ばされる肉体。
月は、車に撥ね飛ばされ。
ソラナキは、そんな月の腕の中で最悪の状況に目覚め。
駆け付けた蔵馬は、抱え込んだ厄の大きさに後悔し。
乾太郎は、変わり果てた姿のソラナキに驚愕する――。
その瞬間、運命は『縁』となる――。
あまりにも絡み過ぎて、解けない毛糸のような、縁であった。
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