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きっと、このまま酒呑童子と対面していたら、乾太郎が大きく傷つくように思っていたから。彼の強張った気持ちを緩やかにできて、無謀なことを事前に止めさせるだけの役割が持てたことにも、嬉しくなった。
「四十万飛燕とはみんなで逢いに行こう」
「そうだな、そうしよう」
四人は視線を交わし、意思を確認しあうと、頷いた。
四十万飛燕に、物申す。
勝ち負けとか、そういうためじゃない。
忘れてほしくないたった一人の小さなあやかしのため、月たちは、最上階に向かって歩みだした。
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