ようこそ、ボンビーガール

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 ともあれ、こうしてキララ・ルナはこの奇妙な部屋に住まうことになった。  引っ越しは滞りなく済み、広い部屋はあっという間に自分の部屋に塗り変えられた。  広いLDKは独り暮らしでは持て余しそうではあったが、優雅な余裕のある生活ができるだろう。それはまるで幼い頃に憧れたセレブのようではないか。  これから始まるバラ色の大学生生活をエンジョイするための一歩としては最高だとすら思った。  ――思った初夜。  洋間のほうを寝室にした月は、引っ越し疲れでクタクタになった身体をベッドの上で横たえていた。 (はー、ヘトヘトなのに眠れない。やっぱりまだこの部屋に慣れてないからかな)  ごろんと寝返りを打って、自分がどうにも眠れないことに気が付いた。  むくっと起き上がって、喉でも潤そうと考えた時、リビングのほうに人の気配を感じた。 「――!」  ドキンと胸が跳ね上がった。誰かがリビングにいる。  そういう気配があった。耳を澄ませると、何やら物音が聞こえる。  泥棒か? それとも――曰く付きの『理由』である『怪奇現象』か?  恐怖はないこともなかったが、月は実は契約時から考えていた。  この部屋が変なのは覚悟の上。何かあるのなら、それを暴いて、寧ろネタとして利用してやろう、と。     
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