あやかしインベスティゲーション

1/8
前へ
/314ページ
次へ

あやかしインベスティゲーション

「あやかしインベスティゲーションでーす、よろしくお願いしまーす」  マヨヒガの入口で、月はビラ配りをしていた。マヨヒガにやってくるあやかしに向け、新装開店した『あやかしインベスティゲーション』を宣伝しているのだ。  とりあえず来る人にビラは受け取ってもらえているが、いまいち反応がなかったので、本当にこれであやかしからの依頼なんて受けることができるのかと不安になり始めた。 「あやかしインベスティゲーションです~。あやかしの為の、調査員として働きまーす。よろしくお願いします~」 「あやかしインデベソ……なんだって?」 「インベスティゲーション、です」 「インベ……舌噛みそうな、名前だなァ~」  ビラを受け取ってくれたシャポーを被ったチョビ髭の男性が首を傾げながら、マヨヒガに入っていく。  正直なところ、月も同じ感想だった。呼び込みのために『あやかしインベスティゲーション』と繰り返しているが、舌が回らなくなりそうだ。普通に、『あやかし探偵社』とかのほうがキャッチなネーミングではないだろうか。     
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加