あやかしインベスティゲーション

4/8
前へ
/314ページ
次へ
 思わせぶりな言い方をした乾太郎に、眉をひそめた月は、そもそもの疑問をまず聞いてみようと思った。 「ねえかんたろ。私のこと、気に入ってくれて、ここでお仕事をすればいいって教えてくれたのは理解しているんだけど、そもそもなんでこんな『調査員』なんて仕事をさせようとしているの?」 「あーうん、それに関しては、実は話の順序がまたあって……」 「順序?」 「実はさ、今さっき言ったけど、とある知人から相談を持ち掛けられているんだ、オレ。でもその相談、オレだけでは解決できないかもなぁと思っていたところに、キララちゃんがやって来たってところなんだよね」 「私なら、その知人の相談に応えられるってこと?」 「そう、それでどうせならそーゆー輩のために商売したら、きみの抱える問題……お金を稼げるだろうし、一石二鳥かもと思ったんだ」 「なるほど、問題が先にあったから、それを仕事にしてしまおうって考えたんだ」 「そういうこと。それに、キララちゃんは損得勘定を抜きにして、弱者のために活動できる精神があると知っていたから、適任だろうと思った」 「そんな大それたもんじゃないけど」     
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

578人が本棚に入れています
本棚に追加