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「なんで、さっきの貴族、コインを投げていったんだ?」
「それは、コインには魔よけの力があるといわれているからです。
最低でも銅貨6枚を投げれば弱いモンスターであれば去っていきます。
金貨3枚であれば、少し強いモンスターでも追い払うことができます。
逃げるとなぜかいくらかのお金がなくなる。それは神への捧げものです。
私たちにはこの通りお金がありません。
なので、このようにお金を1ルドたりとも無駄にするわけにはいかないのです。」
もしかして、あの時逃げてお金がなくなったのは、ゲームでのお約束ってだけじゃなくて、魔よけの意味もあったのか。
モンスターを倒しながら進んでいくと、ホワイトウルフが現れた。
いや、ホワイトウルフよりでかい!!
「こいつ、すばやさがものすごい!!」
金貨、は少なくなってきてるし、銅貨をどれだけ消費すれば追い払えるかわからないからコインは投げられない。
逃げるを選択したが、電子的な四角が出て『逃げられない!!』と出た。
コインが足りないのか、ラスボス的な何かか。
もうダメかと本気で思った。
「勇者様!!」
村人の一人が叫び、何かを投げた。
薬草が入った弾のようだった。
それがホワイトウルフに似ているでかいやつに当たると、いやがるように首を振り、逃げて行った。
「助かった・・・。」
「念のために持って行ってよかった。ここ、ホワイトウルフ発生地帯なんですよ。」
できるだけモンスターに会わないようにして進んでいって、やっと商売の町・イパカイに辿り着いた。
「ありがとうございます。」
「これでこの町で商売ができます。」
「お礼にこれを。」
木のお守りをもらった。
人の形をした、木のマスコット、って感じ。
そのお守りを見てみた。
『木のお守り
持ち主をケガ、災難、死から身を守る。ただし、命の危険からは、1回しか使えない。』
みがわり人形みたいなものか。
僕は村人たちに別れを告げ、旅立った。
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