第1話 日常から非日常へ

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ーーーー 「い、一瞬で終わった…」 予定されていたバトルは影狩りで最後だったらしく、あとは個人のフリー対戦のみになった。 あっさりと終わった影狩りのバトル。しかし今回は『影狩り』は行われず、影狩り自身はバトルが終わったと同時にフィールドから降りて出ていってしまった。 「…あれ、そういえばオレ、ここに影法師のこと聞きに来たんだ」 影狩りですっかり忘れていたが、メールのことを失念していた。 また新たにメールが届いていないか確認するが新着はない。手詰まりになってしまったが 、ものがものなだけに周囲に聞きまくるわけにはいかない。 仕方なしに出口へ歩く。今日はとりあえず家へ戻り、また新しくメールが届くのを待つしかない。 データショップの方へ戻ると無愛想な店員と目が合う。合ったのは一瞬ですぐに反らされた。反射的に店員の視線を追いかけると、そこにはまだ影狩りの姿があった。 その姿を目に入れた瞬間、心がざわめきだす。 聞くなら今しかない。 『何故人の影法師を奪うのか』 きっと踏み込んではいけないことだろう。 けれど影法師で遊ぶ者としては、どうしても聞きたかった。 ゆっくりと一歩ずつ影狩りに近づく。 あと数歩という距離で足を止め、口を開いた。 「影狩りはどうして、影法師を憎んだ眼で見るんだ?」 影狩りは振り向くと影法師を見る同じ眼でオレを見た。 .
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