第2話 影狩りとの共同戦線

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「ぐっ…」 肩、足、腹部、腕、ただでさえ少ないのにどんどんと削られていくダメージゲージと連動して体全体に激痛が走る。身体をくの字に折り曲げ必死で呼吸しようとするが、一向に息が入ってこない。 「そろそろ限界じゃないか? 体がバラバラになりそうなほど痛いだろう?」 胸を押さえ、息をしようにも痺れたように肺が動かない。息が出来なければ影法師を操ることも困難で、操ることが出来なければダメージは増える一方という悪循環だ。 「そろそろ終わろうか」 またディストピアの姿が消える。上を見上げればディストピアが攻撃体勢を取っていた。 あのセカンドトリガーの条件はおそらく一定のダメージと距離を取ること。連続して撃たなかったのがその証拠だ。 《セカンドトリガー・起動 ダークショット》 トリガー起動の機械音が鳴る。あの漆黒の弾丸に当たってしまえばダメージゲージは0だ。 一瞬迷ったが方法はこれしかない。一か八かの賭けに出る。 「お前の敗けだ、No.001」 「こっちのセリフだよ」 《セカンドトリガー・起動 ライトニングソード》 「!?」 ディストピアのトリガーが放たれるより早くエスペランサのトリガーを起動させる。漆黒の弾丸を突き破り、ディストピアのコアを狙い打つ。コアを破壊すれば戦闘不能状態になる、ダメージゲージを削るより確実だ。 このセカンドトリガーは受けたダメージに比例して威力も大きくなる。エスペランサのダメージゲージは既に20を切っており、先に削っておいたディストピアのダメージを考えれば何処かしらを貫通すればコアをずらされても勝てる。 エスペランサの剣が真上にいたディストピアのコアへと一直線に伸びる。ディストピアの銃口はトリガーを発動したことにより体勢を変えたエスペランサを捕らえきれていない、チャンスは一度きり。 その胸に刃が触れる瞬間、光が弾ける。 「そううまくいくかよ、甘ちゃんが」 .
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