第3話 データの行方と謎

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「しらぬい……ああ、現在シャドウバトル最年少記録保持者か。こいつなら持っていても不思議ではないな」 リュウジこと、不知火龍人はシャドウ公式大会で一番大きな大会の前年優勝者である。オレの一つ下で小学生でありながら数多のプレイヤーを撃破して頂点に君臨しており、今年に入ってからの大会も負け無しという実力者だ。 「とりあえず優勝賞品で不思議なデータがあったら持ってきてとは言ってあるけど」 あれだけ大会で優勝を繰り返しているのだ、限定データの1つや2つは持っているだろう。とはいえ、授業が終わったばかりの時間だからたぶんしばらく掛かるだろうな。 それまでまたカランと情報交換でもしようかと思っていた所でショップのベルが鳴る。 扉の方へ顔を向ければ見知った顔がそこにいた。 「アキラさんから連絡くれるなんて嬉しいです! 思わず走って来てしまいました!」 まさか間髪入れず登場するとは思わなかった。 長い黒髪を振り乱しながら全力疾走しているリュウジの姿を想像して、見かけた人の心中を察する。シンプルに怖い。 横にいたカランはまさか本当だとは思っていなかったらしく目を丸くして驚いていた。 「お前にこんなツテがあったとはな」 「リュウジは学校が一緒だったからね。前から仲良しなんだ。 …ホントなんでオレと仲良しなの?」 理由が一切思い当たらないから不思議だ。別に家が近いわけでもない、学年も違うし性格も友人のタイプも違うから接点もほぼないはずなのに。強いて言うならシャドウぐらいしかない。 「ひ、ひどい!ぼくにシャドウを教えたのはアキラさんじゃないですか!」 「そういう意味じゃなくてですねー。もういいや面倒くさい。 本題なんだけど、リュウジ」 そりゃ何度かバトルして勝ったけどリュウジが優勝連発する前のことだし、今戦えばリュウジの方が強いだろうに。 時間が押してきているしさっさと用件を済ませようと、強引に話を進める。 「うう…はい、以前大会で優勝した時にいただいたデータのことですよね?現物をお持ちしましたので確認してください」 納得していない様子だが目的は理解していたようで、渡されたのは一つのデータカード。 既存のシャドウデータは何種類かの専用データケースで売られており、特にスタイルはこの形で売られている事が多い。なので使い方は説明されるまでもない。 .
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