第1話 日常から非日常へ

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「うわぁあああ!」 《戦闘不能状態になりました バトルを終了します》 《勝者 エスペランサ》 「ん~やったね! 大丈夫か、ヒロキ?」 ここはアマギシティにある中学校。その中に併設されたフィールドに少年はいた。 専用ゴーグルを外しながら勝者である少年は、対戦相手に手を差し伸べながらカラカラと笑う。 少年の名は光鳴秋良。 シャドウバトルで遊ぶ、ごく一般的な中学生である。 『シャドウバトル』 それは武装した『影』を操り戦う遊びである。 ほんの数年前に企業が公表した技術を用いた遊びであり、今や多くの子供たちを虜にしている。 「あーアキラお前手加減しろよな!」 「勝負において手加減も何もないだろ。 それにそんなの対戦相手に対するお前に失礼だ」 少年は『影法師(シャドウ)』と呼ばれる『影』を仕舞いながら笑った。 「へーへー。真面目だなぁお前」 「あっ、と、オレ今日は用事があるから! また明日な!!」 「おう、明日は負けねーぞ!」 「昨日も同じ事を言ってたぞー」 「うるせー」 慌ただしく帰り支度を終え、待ちわびていた友人と共に家路を急ぐ。 「マリア、お待たせ」 「うん。帰りましょう」 少年はまだ知らない。 これから起こる出来事も、これから出会う仲間達のことも。 「明日はどんなバトルが出来るのかな!」 『影法師』に隠された闇もまだ知らない。 .
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