第1話 日常から非日常へ

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「なんで、誰がこんなこと……」 そう思い、気がついた。さっきの位置情報。あれが現時点では唯一の情報源だ。 急いで位置情報を検索する。出てきたのは家からそう遠くないショップを示していた。 「番地は12-21、建物は店…名前はわからないけど何かのショップかな?」 メールが示す場所は分かった。問題はどうするかだ。 誰かと一緒に行こうにも、こうなった経緯を話せば誰もが止めることだろう。特にマリアなんかはそのままデータショップで初期化することを勧めきそうだ。 普段のオレならそうしたかもしれない。 けれど今日は違う。 「(知らないデータ、企業のプログラムを越える技術、オレに送られた意味。 知りたい、このデータの送り主を!)」 意図がわからない恐怖心よりシャドウに対する好奇心が勝ってしまった。 検索結果を端末に保存して誰にも告げずに家を出る。 ヘタな事に巻き込まれるとしても友達まで道連れにする気はない。特にマリアやリュウジ が巻き込まれたらたまったもんじゃない。書き置きはしたし、位置情報は自分の部屋に検索結果を残したままだ。 バレない内に行こう。 この影法師の意味を知るために。 .
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