ステータス画面表示を見ることができる能力を持つ勇者の話 3

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僕たちは町に戻り、宿に泊まった。 寝る前に、セノといろんな話をした。 僕が住んでいたところのこと。 セノが住んでいた村のこと。 そして、僕は今まで疑問に感じていたことを言った。 「死んだら、どうなるんだろう?」 「死ぬんじゃない?あの世とか天国に行くだろう。」 「それは困るよ!だって、僕は元の世界に帰らなきゃ・・・。」 死んだら元の世界に帰れるんじゃないかって思ったんだけど、いざ死にそうになると怖くなった。知っているものも何もない。なぜこんなものが見えるの?僕は、一生この世界で暮らさなきゃいけないの? 「じゃあ、ヤマトウの国に行けばいいんじゃないか?そこの何百年前かの王様は、もとはお前と同じところから来たんだって。今はその子孫がいると思うけど・・・。」 いままでずっと考えていたことがある。 この国の人や近くの国の人が聞いたことがある言葉で話していたことを。 「おなかが減っていると戦いができないもんね。」 「うーさぎうさぎなにみてはねる♪」 聞いてみれば、この世界のことが分かるかもしれない。 これからどうすればいいか分かるかもしれない。 地図を見て見た。 その国は遠かった。最初の国からこの町まで来ただけでも遠かったのに、あと2つの国を超えていかないといけないみたいだ。山で区切られているところもあるし。 ちょっと気が重くなった。 けれど、モンスターと戦えば、レベルが上がるし、ちょうどいい。 そう思って僕は寝た。 プラチナウルフの毛皮、狼の牙とか、売れそうなものを全部売って、僕は町を出た。 「じゃあな。」 「待てよ、タカハシ!」 「なんだよ。プラチナウルフは倒したし、まだあるの?」 「俺を仲間に入れてくれないか?ここへ来たのはここで俺の仕事が見つかるかなぁってそれだけだから。」 へへへとセノは笑う。 電子的な青い四角が僕に問いかけた。 『仲間にしますか?』 迷わず、なんとなくで『はい』を選んだ。 すると、ピコンと音が鳴り、電子的な四角、ステータス画面が表示された。 『セノが仲間に加わった』 「ねえ、さっきの音、聞こえなかった?ピコンって。」 「いや。何も。きっとお前にしか聞こえないんじゃないか?」 「そうなのか。」 ステータス画面をほかの人に見えるようにできるというのを知るのは、もう少し後になってからだった。
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