不仲な兄弟?

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「だが、この顔に青痣はいただけんな。ジョルジュ、ここにファウストがいなくてよかったな。いたら今頃お前はあいつにぶった切られているぞ」 「は?」 「……」  何か、嫌な予感がする。色んな事が筒抜けている気配にランバートはただ黙って耐えるしかないが……内心は大いに焦っていた。 「こいつが奴の最愛だ。顔に傷なんてつけて、あいつが見たら激怒だぞ」 「な! あっ、それは!!」 「……はぁ」  もう、溜息しか出なかった。  クシュナート王はケラケラ笑ってランバートも一緒に立ち上がらせる。そして背後の全員にも同じように指示して立たせてしまった。何とも気さく、そして型にはまらぬ人だ。 「悪い悪い、恥をかかせるつもりじゃないぞ。カーライルとは未だにペンフレンドでな。あいつが楽しそうに色々書いてよこすものだから楽しみにしていたんだ」  バンバンと力強く肩を叩かれ少し痛むくらいだ。身体的にも充実しているのだろう。 「他にも色々と話しを聞いていてな。今日はそれを聞くのを楽しみにしていたんだ。何せしばらく帝国には行けていなくてな。カーライルの結婚式にも結局は行けなくて非常に悔しい思いをした」 「陛下も少し残念にしておりました」 「あぁ、俺も残念だったさ。丁度妻が二人目を身籠もって、不安定だったんだ。長旅になってしまうからな、迷ったんだが」     
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