出発の日(ボリス)

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 あいつ、一体どれだけこんな事してたんだ。普通、ボディーピアスは慣れてないと開けるのは難しい。綺麗に開けるのだって苦労する。しかも一発だ。これが初犯じゃない。  あぁ、ダメだ。あいつを今すぐ拷問でもなんでもしたい。最大限の屈辱と陵辱をしてやりたい。せめてここに一ヶ月いられたら、あの男を家畜のようにしてやるのに。 「あの、じいや」 「なんですかな?」 「この事は、その……他の人には言わないで欲しい」  消え入りそうな声でお願いをするフェオドールに、医者の爺ちゃんは「勿論ですとも!」と胸を叩いて誓った。  でも残念、俺はそんな気ない。  ボリスの瞳はやはり、青い炎が奥底で燃えているようだった。  午後の時間を使って、フェオドールには「騎士団の仕事」と言ってアルヌールにアポを取った。そして二人きりになってピアスの事を話した途端、案の定悪魔も真っ青な顔をした。 「あいつ……どうしてくれる……人の、しかも王弟を傷物にしたとは……!」 「あぁ、うん。落ち着いてよ」 「お前はよく落ち着いてられるな!」 「はぁ? そんなわけないじゃん。とりあえず、王様のプラン聞きたい」 「即刻あいつのあそこにピアス開けて、乳首にも開けて重しつけて吊してやる!」 「わーお、いい趣味」  まぁ、ナニ切り落とすのは散々に惨めったらしくしたあとでもいいよね。付いてるからこその恐怖や屈辱もあるし。     
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