不仲な兄弟?

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 ある意味、針のむしろかもしれないが……  それでも楽しみにしているというアルヌールの瞳を見ると苦笑で許せる。もう散々ネタにはされたし、否定もしないからいいだろう。 「悪いな。それでは、ジョルジュに案内を……」  アルヌールがそう切り出した時、突如謁見の間の扉が勢いよく開いた。  そこに立っていたのは一人の少年だった。年は二十歳になるかならないか。肩までの銀髪に、アーモンド型の緑色の瞳を厳しくしかめている。黙っていれば綺麗系なのだろうが、溢れる気配はとても刺々しいものだった。  少年は騎士達を一瞥して、イライラした口調で声を上げた。 「王の御前だぞ、騎士共! 膝をついて最上の礼をするのが礼儀というものだ。そんな事も帝国の者は知らないのか!」 「フェオドール!」  少し高い少年の声を諫めるように、アルヌールは声を上げる。それに、フェオドールと言われた少年はビクリと一つ肩を震わせる。強情に唇が真一文字に引かれた。 「俺が堅苦しいのはなしにして欲しいと頼んだんだ」 「だが!」 「国賓の前で無礼なのはお前の方だ。まだ謁見時間は過ぎていない、控えろ!」     
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