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「どうにも、フェオドール様は陛下に対して当たりが強くてな。子供のように何にでも反抗的な態度を取っているのだ」
「遅れてきた反抗期じゃない?」
ボリスがのほほんとそんな風に言い、しれっと茶を啜っている。
「どちらかと言えば、反抗期の延長戦だわい」
「まぁ、二十歳くらいで反抗期って逆にかっこ悪いけれどね」
「ボリス、口が悪い。あくまで一国の王子だぞ」
「ランバート、本心言ってごらん」
「……確かに、もう少し大人な対応をしてもいい年頃だとは思うけれど」
「ほぼ同い年なのにね」
「なぬ!!」
からかい半分なボリスの言葉に、ジョルジュが目を丸くする。そして次には盛大な溜息だ。
「爪の垢を煎じて飲ませたい」
「ばい菌が沢山いると思うので、おすすめできませんよ?」
「クリフ、これはそういう現実的な事じゃないからね」
キョトッとするクリフに、何となく皆が力ない笑い声を上げた。
「昔はこうではなく、兄である陛下を慕っていたのだがな。側近達があれこれ甘やかすせいか、どんどん態度が尊大になっていって。陛下も側近を変えようとするのだが、嫌がってまったく聞く耳を持たなくて」
「甘やかされるって、弊害もあるよね」
「甘やかされた事のほぼ無い俺達じゃ、想像のつかない部分だな」
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