蠢く夜

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★ボリス  ボリスはチェスターと同室ということで、一度部屋に戻った。後は少し飲みすぎてタガがハズレそうになったからだ。アルヌールは良くも悪くも気のいい人で本当に気さくだ。全員の側に寄っていって自ら酌をして、色んな事を話して笑って。  一国の王という立場を考えれば堅苦しいものを考えていたが、まるで騎士団の中にいるようで気が緩む。  いや、これが外交というならとんだ狐かもしれない。気を許してあれこれ話したが最後、情報をかなり握られるだろう。 「なーんか、王様って感じのしない人だったな」 「まぁ、そうだね」  部屋で気の抜けた様子のチェスターが着替えを用意してベッドに置く。一応王城ということで、今も騎士団の制服は着たままだが、流石に寝る時にこれは苦しい。こういうものを用意しにきたのだ。 「俺達の陛下も、あんな感じの人なのかな?」 「ランバートの話しだと、個人的にはそうみたいだね。王様と私人と、使い分けが大変そうだよね」  更に言えばそんなプライベートまで知ってるランバートのツテが怖い気もするが、あれは悪用とかしないからいいのだろう。     
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