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「わしは国軍将校の一人で、ジョルジュ・エモネだ。お前さん等の事は陛下から聞いている。よくこの時期にあの森を越えてきたもんだ」
「ジョルジュ将軍、お世話になります。一隊を預かる、ランバート・ヒッテルスバッハと申します。手厚い歓迎に感謝いたします」
「なーに、気にすんな。わしらは好意的な客人は大歓迎だ。だが、しかし……ヒッテルスバッハと言うとお前さん、ジョシュア・ヒッテルスバッハの親戚かい?」
「……父です」
「なんと! 似とらんな! がっはっはっはっ」
「…………」
どこまで名を轟かせてるんだ、あの父親。
ランバートはひっそりと顔を引きつらせ、気付いたゼロスが肩を叩いた。
ひとまず全員が席に着き、ランバートは一通り全員の紹介を終えて改めて、シウスの書簡をジョルジュに手渡した。
それを確認したジョルジュが頷き、角張った顎を撫でる。
「それにしても、帝国も難しい立場だな。カーライル様も気苦労が絶えん。せっかく可愛い嫁さんもらって、今が一番幸せだろうに」
「将軍は、我等が陛下の事をご存じなのですか?」
「知ってるもなにも、あの方がこの国に留学していた一年程、ずーっとわしが護衛についとったのよ。逆にうちの陛下が帝国に留学していた時もついていった。一緒に酒を飲んだくらいだ」
「そんなに古いお知り合いなのですか」
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