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★レイバン
レイバンとハリーは何気ない様子でメイド達の控え室に来ていた。
女性達は「甘い物ありません?」なんて言って訪ねて来た二人を見て顔を赤らめ、ごく自然にクッキーやら焼き菓子やらを出してくれた。
「美味しい! やっぱ引きこもりなら甘い物が欲しくなるよね」
クッキーをポリポリしながらレイバンの頬は自然と綻ぶ。クッキーにジャムを乗せたものは、帝国ではあまりみかけない。
「この紅茶も、もしかしてジャム入ってる? 甘い」
「本当に!」
ハリーの言葉を聞いてお茶を飲んだレイバンは、そこでも幸せな顔をした。
「甘味、最高」
「甘味大王だもんね、レイバン」
呆れながらもハリーだってまんざらでもない様子だ。
「あの、良ければこっちのも」
「え? いいの? でも、俺達ばかりが食べたらせっかくのお菓子がなくなるよ。君たち、休憩でしょ? 一緒しない?」
「でも、私達……」
「かったいこと言わないでさ」
ハリーがニッコリ笑うとメイド達も悪い気はしないのだろう。戸惑いながらも席についた。
「この辺寒いのに、お菓子って貴重なんじゃないの?」
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