囚われた王子

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 ランバートの問いに、コンラッドとゼロスが頷く。コンラッドは事件直後に血痕を追っていたし、ゼロスは今日の午後からクシュナート兵の格好でジョルジュについて動いていた。 「昨日俺達が駆けつけた時点でかなり時間が経っていたから、なんともな。血痕は庭を抜けて城壁の一角で消えた。城壁の上に擦れた跡があったから、ロープでも用意していたんだろうけれど」 「計画的だったんだろう」  コンラッドの報告にランバートはこの思いを深くする。このタイミングを狙って動いたとなれば、かなり前から準備していたんだ。その計画性を考えるとますます、フェオドールという人物像には当てはまらない。 「ゼロス、ジョルジュ将軍のところには何か入っていたか?」 「いや、これといっては。城壁の外の血痕は消えていたし、それらしい目撃者もない。どうも夜警の隙を突かれたようだ」 「ってことは、警備のタイミングやルートを知っている奴が確実に糸を引いているんだろうね」  レイバンの言葉に、全員が頷いた。 「クリフは、どう思う?」  ランバートに話しを振られたクリフは難しい顔で俯いた。それでもしっかりとした目で、確かな事を口にした。 「多分犯人は、素人だと思う」 「根拠は?」 「まず、傷の位置。あれだけ深く刺せたなら、アルヌールさんは油断してたと思う。それでも外してる。プロなら、多分……」     
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