囚われた王子

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 向かってみると、アルヌールの側にはフェオドールと側に身なりのいい男が一人。そして三人の老人の姿があった。 「だから帝国など信用ならないと言っているのですぞ!」 「奴等がきた途端にこの騒ぎ。これは由々しきことです!」 「……」  体が自由なら今すぐに剣を抜いているだろうな。その位には苛立っている様子に、ランバートは苦笑してしまった。 「陛下、騎士団の者を連れてまいりました」  ジョルジュの言葉に視線が一斉に集まってくる。アルヌールからは安堵が、フェオドールは戸惑い、その他は敵意だろうか。こうも透けて見えるとは。 「アルヌール陛下、お呼びとの事ですが」 「ランバート、お前からもこの煩いポンコツ共に説明してくれ。やれ帝国の陰謀だと煩くて敵わん」 「はぁ……」  途端睨み付ける老人三人に、ランバートとしては呆れるより他にない。どうしたらそうなるのか、まったくもって理解ができないのだ。 「昨夜のお話はなさったのですか?」 「した。お前等とずっと飲んでたってな」 「なるほど。それで、何が疑問だと?」 「帝国はこの国をも侵略しようと、陛下の命を狙ったのだ!」     
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