374人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
向かってみると、アルヌールの側にはフェオドールと側に身なりのいい男が一人。そして三人の老人の姿があった。
「だから帝国など信用ならないと言っているのですぞ!」
「奴等がきた途端にこの騒ぎ。これは由々しきことです!」
「……」
体が自由なら今すぐに剣を抜いているだろうな。その位には苛立っている様子に、ランバートは苦笑してしまった。
「陛下、騎士団の者を連れてまいりました」
ジョルジュの言葉に視線が一斉に集まってくる。アルヌールからは安堵が、フェオドールは戸惑い、その他は敵意だろうか。こうも透けて見えるとは。
「アルヌール陛下、お呼びとの事ですが」
「ランバート、お前からもこの煩いポンコツ共に説明してくれ。やれ帝国の陰謀だと煩くて敵わん」
「はぁ……」
途端睨み付ける老人三人に、ランバートとしては呆れるより他にない。どうしたらそうなるのか、まったくもって理解ができないのだ。
「昨夜のお話はなさったのですか?」
「した。お前等とずっと飲んでたってな」
「なるほど。それで、何が疑問だと?」
「帝国はこの国をも侵略しようと、陛下の命を狙ったのだ!」
最初のコメントを投稿しよう!