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そして私達は何度も唇を重ね、お互いの愛を確かめ合う。
するとハウスから顔を覗かせた未久が「お取込み中に悪いんだけど……」と声を掛けてきた。
「言い忘れてたけど、奥村君に莉羅の居場所バラしたの私じゃないからね。奥村君は一年前から莉羅がここに居るって知ってたんだから」
「えっ……?」
未久はそれだけ言うとまたハウスの中に引っ込んでしまい、必然的に私の視線は奥村君に向けられる。
「どういうこと?」
「橋倉さんだよ」
「へっ? 橋倉さん?」
予想外の答えに口を開けたまま固まってしまった。
奥村君の話しによると、橋倉さんは私がここに来た日の夜、奥村君に電話をしていたそうだ。
「莉羅の様子がおかしい。何かあったのかってな」
奥村君は橋倉さんに事情を説明し、暫く私をここに置いてやって欲しいとお願いした。
「橋倉さんは、必ず全ての問題を解決して莉羅を迎えに来いと言ってくれた。それまでは責任を持って莉羅を預かるからってな。だから俺も安心して星城の為に動くことが出来たんだ」
「じゃあ、今日という日が来るのは、ずっと前から決まっていた……?」
「そういうこと。で、返事は? 俺を雇ってくれるのか?」
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