13・吐息とため息

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*** あれから何度も、ルウリは窓の外が気になった。 カーテンを開けてどんな様子か見たいと思う自分と、そんなことをしても余計にせつなくなるだけだからやめた方がいいと思う自分と。 二つの気持ちを行ったり来たりしながらも結局、見ても嫌な気持ちになるだけだと思い、お風呂に入って気分転換することに決めた。 *** ───セバスさんは声がかかるまで待っているようにと言ったけど………。 湯船で身体が温まってくると、慣れない接客で疲れたせいもあり、なんだか眠く、遅くまで起きていられる自信がなくなってきた。 ───今夜はもうラシルスには会えない気がする。 お仕事だものね、我慢しなくちゃ。 でも明日になればきっと………。 花香水のことを話したり、音晶石も渡したい。 わたしだって、まだ明日も薬草水の売り子を頑張らなきゃ。 そのためにお屋敷へ来たのだ。 ラシルスと一緒の時間を楽しむのはお祭りの最終日、明後日なのだから。 それまではきちんと頼まれた仕事をしなければ。 少しずつ前向きに、ルウリは一生懸命気分を変えていこうとした。 ***** お風呂を済ませて二階へ上がろうとしたところを、食堂から出てきたセバスに呼び止められた。 「ルウリ様が作ってくださった夕飯、美味しゅうございました」 深々とお辞儀をするセバスに、ルウリは照れながら言った。 「よかった。そう言ってもらえるとわたしも嬉しい」 「ルウリ様、今宵はあとひとつ、仕事をお頼みしてもよろしいでしょうか」 「お仕事?」 セバスの突然の申し出に、ルウリは首を傾げた。 「もうすぐこちらへラシルス様がお戻りになられます」 「お客様との夕食、終わったのね」 「はい。でもラシルス様はほとんど召し上がっていません」
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