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ルウリは椅子から立ち上がり部屋のドアを見つめた。
───ラシルスが近くにいる。
………わたし、ラシルスに会いたい。
顔が見たい、声が聴きたい。
機嫌が悪いとかそんなの、もうどうでもいいくらい。
───わたし、ラシルスの傍に行きたい………。
ルウリは二つの音晶石を鞄から取り出しポケットへ入れた。
花香水は明日にしよう。
今夜は音晶石を渡しておきたい。
ルウリは部屋を出て、書斎部屋の扉をノックした。
「───ぁの、ラシルス?」
呼びかけると少しして返事があった。
「………開いてるよ、お入り」
ルウリが部屋へ入ると、壁際のソファーにだらりと寝転ぶラシルスの姿があった。
「まだ起きていたか。もう寝てしまったと思ったよ」
ラシルスはゆっくりと身体を起こしながらルウリに視線を向けた。
その動作や表情が、いつもと違って見える。
(ラシルス、なんだか疲れてるみたい?)
「どうした。何か用か」
「ぁあの、ね。………わたし、音晶石を持ってきたの。………糧になるといいんだけど」
「そこの机の上に置いといてくれ。今はいらない」
「うん。じゃあ置いとくね」
ルウリはおずおずと部屋を進み、言われた通り机の上に音晶石を置いた。
「美味しいといいんだけど………」
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