【第5章】女は怖いのです

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そんなある日。 いつものように病院でリハビリをしていると、婦人科医として勤務しているユキちゃんのお姉さん、(かおる)さんが現れた。 彼女は、私と夕食に行きたくて迎えに来たのだという。 派手な美人の彼女は性格も豪快で、リハビリの最中だというのに担当医の制止も聞かずに、早々に切り上げさせてしまった。 「私の行きつけのイタリアンでいい?」 慣れた様子で運転をする薫さんから、ウキウキとした気持ちが伝わってくる。 「でも私、こんな格好……」 「カジュアルなイタリアンだから問題ないけど、小夏ちゃんが気になるなら……そうね……」 私の服装は、スエット地のオールインワン。 対して薫さんは、シルクのシャツに綺麗なラベンダーのペンシルスカート。 おまけに指し色として首に巻いた、ネイビーのスカーフと同色のケリーバックという、隙のないファッション。
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