【第1章 】目覚めると悪夢

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ギプスで固定した片足が、高く吊り上げられているのは、主治医という言葉から理解できなくもない。 けれど両手が一纏(ひとまと)めに、頭上に拘束されているのはなぜだろう。 救いは寝かされているベッドが程良い弾力で、とても心地良いこと……だと思ったら、そんなものは救いでもなんでもなかった。 彼は私が動けないのをいいことに、その手を顎に移動させたかと思うと、躊躇(ちゅうちょ)なくキスを落としてきたのだ。 ーー!? ヒヤリとした唇の感触。 突然のことに思考がストップして、息をすることさえ忘れてしまった。
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