【第1章 】目覚めると悪夢

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それは長いキスだった。 苦しくなって、大きく咳き込む。 「っく!! ケホッ!!」 心臓がとんでもない速さで鼓動を打っているのは、息を止めていたからなのか。 それとも、突然のキスのせいなのか……。 「そんなに(おび)えないで下さい」 唇を離した彼は、悲しい顔をして手を伸ばすと、私の髪を優しく撫でる。 いやいやいやいや、何を言っているんだ。 患者を縛り上げて、無理矢理キスしておきながら、怯えるなだと? さらに身を固くした私に、彼は綺麗な顔を寄せたかと思うと、カプリと耳を口に含む。 瞬間ーー。 ゾクリと背中に電気が走ったような感覚に貫かれ、体が小さく跳ね上がった。
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