【第1章 】目覚めると悪夢

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「耳が弱いんですか?」 妖艶に笑った彼はそのまま首筋に舌を這わして、私の身体を(あお)りはじめる。 「……っ、やめ……やあっ!」 身体中に広がる甘い痺れに(あらが)いながら、やっと絞り出した私の言葉は、彼の舌遣いによって甘い嬌声(きょうせい)に変換される。 何これ……どうかしちゃったの? 見ず知らずの男に蹂躙(じゅうりん)されているというのに、甘く(うず)く体。 「気持ち良さそうですね」 彼は身体を起こして、挑発的な笑みを浮かべる。 その暴力的なまでの色気ったら……。
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