【第4章】初デートは海へ

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いつも通り、一緒に朝食を取っている最中。 彼は突然、海に行こうと言い出したのだ。 「さっきまで、仕事だったんでしょう?」 「大丈夫ですよ。急患もなかったので、少し眠れましたし」 疲労の色など微塵もない顔でコーヒーを飲み干すと、空になった食器を持ってキッチンに消えていく。 慌てて自分の食器を持って追いかけると、彼は食洗器に食器を几帳面に並べながら言った。 「この一週間、同僚の夜勤も代打で出たので、二日間は呼び出し無しの、完全休暇です」 一緒に生活してみて分かった。 脳神経外科医というものは緊急の呼び出しや当直も多くて、かなりハードな仕事だ。
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