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【第5章】女は怖いのです
結局あの夜『言わなきゃならないこと』は語られず、私たちは手をつないで朝まで夜空を見上げ続けた。
だけど優しい時間を共有したことで、ここ数日、二人の関係は確実に変わり始めている。
元々数年とはいえ幼馴染として仲が良かったのだから、一緒に居ることに違和感はなかったし、それに彼は素の自分で向き合ってくれるようになったので、私も肩の力が抜けて、伸び伸びとした時間を過ごせるようになった。
とはいえ彼は、相変わらず夜勤ばかりの激務なので、一緒にゆっくりする時間もそう多くないのも事実。
最近では、流石に疲れた顔をして帰宅するユキちゃんのことが心配で仕方がなかった。
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