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【第4章】初デートは海へ
「……海!? 今から?」
「はい。小夏さんの大好きな、軽トラックも用意しました」
ギプスが取れて、晴れて自由になった私に、朝から眩しい笑顔が向けられた。
ここで生活するようになって、一週間。
ユキちゃんはずっと当直やら緊急のオペやらで、朝になっての帰宅だった。
一緒に朝食を取って、彼は就寝。
その間に私は、掃除やら洗濯をして、工場の事務作業を片付ける。
夕方になってから、一緒に買い出し。
工場に寄って、病院に行き。
リハビリが終わったら、タクシーで帰るという生活。
あれから彼は、約束通り私に指一本触れることはなく、なんだか拍子抜けしてまった。
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