1人が本棚に入れています
本棚に追加
きっと、後にも先にも君だけだったと思う。
詰襟の学生服に包まれた君が愛しかった。
出会いはなんてことなくて、たまたまクラスが同じだっただけで。
ただのクラスメイトになるはずだった。
君からしてみればそうだったのかもしれないけれど。
少しずつ君を知っていくうちに、瞳の色から手先まで、話し方から身のこなしまで、気になるようになっていた。
6年間は、君を知り、そして想うには、あまりにも長すぎたんだ。
自分の気持ちが、「好き」の意味が分からなかった。
ひたすらに君を目で追っていた。
そして、友人として傍にいた。
詰襟の学生服から解放された今になってわかる。
あれは恋だったんだ。
今はもう、私服の君にはときめかないと思う。
きっと、他の誰かと同じようにありふれた交際をするのだと思う。
さようなら、僕の青春。あれが、たった一つの真っ直ぐな青い春だったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!