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目が覚めるとそこには砂漠が広がっていた。真っ白な、砂漠。
いや厳密に言うと、私は目を覚ましてはいない。
夢の中の私が目を覚ますと砂漠にいたのだ。
私は裸足で砂漠の真ん中に立ち尽くし、なぜかひんやりとした砂の感触を確かめていた。
風が吹き、私はそれが生まれたところをぼんやりと探す。
真っ白な砂漠と真っ暗な空。そして何もない私。
夢は何かの暗示であると言う。
見覚えのないさらりとしたワンピースを着て砂漠に突っ立っている私は、何を示しているのだろうか。
それでもきっと、悪くはないだろうと思う。
湧いてくる、謎の自信。
起きたら夢占いでも検索してみるか、と伸びをして、夢の中の砂漠で、真っ白な砂漠の真ん中で、夢の中の私はまた虚空を見つめることにした。
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