夢の中の砂漠

2/2
前へ
/2ページ
次へ
目が覚めるとそこには砂漠が広がっていた。真っ白な、砂漠。 いや厳密に言うと、私は目を覚ましてはいない。 夢の中の私が目を覚ますと砂漠にいたのだ。 私は裸足で砂漠の真ん中に立ち尽くし、なぜかひんやりとした砂の感触を確かめていた。 風が吹き、私はそれが生まれたところをぼんやりと探す。 真っ白な砂漠と真っ暗な空。そして何もない私。 夢は何かの暗示であると言う。 見覚えのないさらりとしたワンピースを着て砂漠に突っ立っている私は、何を示しているのだろうか。 それでもきっと、悪くはないだろうと思う。 湧いてくる、謎の自信。 起きたら夢占いでも検索してみるか、と伸びをして、夢の中の砂漠で、真っ白な砂漠の真ん中で、夢の中の私はまた虚空を見つめることにした。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加