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家を出るといつも以上に周りからの視線が気になってしまった。
犬の散歩をしている老人。子供の送りを終えた主婦やごみを捨てに来ていた主婦。
皆が同じ視線をしているように見えた。
「あの年なのに母親を亡くして可哀そう」
と、言われているみたいな視線だった。
道を歩くだけでストレスや涙が溜まっていく。もう学校にも行きたくない。
そんな感情が芽生え始めたころに、信号待ちをしていた翔太に会った。
「おはよう」
「よう!彰!なんだよ元気がないな。昨日夜眠れなかったのか?」
「いや、いろいろと嫌なことがあってね。翔太は何も聞いてない?」
そう切り出すと翔太は目を見開き、携帯をいじった。
「その話はまた後でいいか?遅刻しちまいそうだわww」
また彰は話を逸らされた。しかしいつも通りの性格で、
「そうだね!ちょっと急ごうか!」
と言って学校に向かった。
チャイムぎりぎりに校門に着き、二人は急いで各自の教室に向かった。
何とか彰は出席に間に合い、遅刻にならずに済んだ。
まもなくして翔太からもメールでギリセーフと伝えられた。
その後にまだ文章の続きがあり、こう書いてあった。
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