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【お前が知りたがっていた事俺は知っている。
親からは言うなと言われてきたけれど、朝のお前の姿を見てもう耐えられなくなった
一時間目保健室に行くといって屋上に来てほしい。お前が知りたがっていることを話す】
とのことだった。
彰はついに聞けるのかという感情と、自分の推理は間違っていてほしいという感情で呼吸が苦しくなっていた。
そしてメールに書いてあった通り、一時間目は腹痛で保健室に行くと伝えて、屋上に向かった。その足取りは坂道を上っているような感覚で重く、なかなか前に進めなかった。
「よう。やっと来たか。」
「おまたせ」
二人ともいつもみたく声は明るくなく、豪雨の前の曇天のような暗い表情を浮かべていた。
そんな中翔太が先に口を開いた。
「お前、どこまで知ってるんだ?」
「何も知らない。朝からみんなに話を逸らされて登校してきた。でも予想はできている...遠慮なく翔太の知っていることを教えてほしい」
「そうか。俺は遠回しな言い方はできない。単刀直入に言うけどいいか?」
「何をいまさら言ってるのさ。そんなの覚悟してここに来たよ」
「わかった。じゃあ結果を言うな。お前の母ちゃんは昨日の22時頃に亡くなった。車にひかれて即死だったらしい」
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