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また目が覚めると、今日子はダイニングテーブルに突っ伏していた。その体勢で寝てしまっていた自分に驚く。
普段は極力うつ伏せにならないようにして寝ていたのに。あまりにも迂闊だ。やっぱり疲れているんだろうか。
うつ伏せで寝ると顔に寝あとがついてしまう。ぐにっと押された頬の肉が凹んだシワを造る。
若い時はそんなのは一時間も経たないうちに消えていた。でも今は半日残ったままの時もある。ついこの間今日子は四十歳の誕生日を迎えた。その日は夫の四十九日だったから、何のお祝いもしてはもらえなかったけれど。
こんなに身体がだるいのも、歳のせいかしら。博が死んでしまってから、身体がまるで鉛の着ぐるみを着ているようだわ。
よろよろと立ち上がった今日子の肩から、するりとカーディガンが滑り落ちる。その感触に娘の優しさを感じ、今日子はそのまま膝から崩れ落ちると、声を上げて助けを求めるようにして号泣する。
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