プロローグ

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プロローグ

 初春の日。久しぶりに兄と会った。  兄は変わっていた。人の目を奪う容姿も、洗練された立居振舞いも、何一つ変わってはいなかったけれど、ずっと自分と似ていると思っていた所が、変わっていた――――いや。「無くなっていた」と言う方が正しいのか。  兄は光を得ていた。そして、昔兄の中にあった闇は、姿を消していた。
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